任意後見監督人

任意後見監督人について

任意後見監督人は、任意後見人がする事務を監督するために家庭裁判所によって選任されます。 しかし、本人が選んだ任意後見人であってもその事務が適正に行われるように監視する機関を設けることで、本人の保護を図り、さらに任意後見制度そのものの信頼性を高めることになります。 



任意後見監督人の選任



任意後見監督人について、「任意後見契約に関する法律」は民法の後見人の規定を準用していますので、以下の事情について考慮されます。 
・本人の心身の状態、生活、財産の状況 
・任意後見人になる人の職業、経歴 
・任意後見人になる人と本人の利害関係 
・任意後見人になる人の意見 
・その他一切の事情 


任意後見監督人の欠格事由


・未成年者 
家庭裁判所で解任などをされた法定代理人、保佐人、補助人 
・破産者 
本人に対して訴訟をしている人、その配偶者、その直系血族 
・行方の知れない人 
任意後見人の配偶者、直系血族、兄弟姉妹 

任意後見監督人の職務


任意後見人が適正に後見事務を行っているのか、必要に応じてチェックをし、家庭裁判所に定期的に報告を行います。 
この場合、任意後見監督人が本人を代理します。 



任意後見監督人の報酬


その報酬額は、家庭裁判所が公正な立場から金額を決定した上で、本人の財産の中から支払われます。 

任意後見監督人の辞任、解任


任意後見監督人は正当な事由があり、家庭裁判所の許可があるときに限り辞任することができます。 
任意後見監督人に不正な行為、著しい不行跡、その他任意後見監督の任務に適さない事由があれば、家庭裁判所は、申立てによるかまたは職権で解任することができます。 
本人の判断能力が不足したときに、さらに任意後見監督人の選任を家庭裁判所に申し立てて、任意後見監督人が選任された時点ではじめて任意後見が始まります。 

任意後見制度は、本人の意思を尊重して、本人が選んだ信頼できる方に事務を依頼できる制度です。 
任意後見監督人は、家庭裁判所が諸事情を総合考慮して選任します。任意後見監督人の自薦を希望する場合は、あらかじめ家庭裁判所に相談することができます。

任意後見監督人の欠格事由として、後見人の欠格事由が準用されています。 

任意後見監督人は任意後見人の事務を監督します。 任意後見監督人の監督の過程で任意後見人の事務に「不正な行為」「著しい不行跡」などが判明した場合には、任意後見人の解任なども視野に入れてその後の対応を検討します。 
また、任意後見人と本人の利害が対立する行為については、本人を害するおそれがあるので任意後見人は本人を代理することができません。 
任意後見監督人には、必ず報酬が支払われます。 
任意後見監督人の辞任、解任についても、後見人の規定が準用されています。